両思い(?)
「やぁやぁ、マイハ二ー♪こんな所で会うなんて、運命だね♪」
一体何処に潜んでいたのか、神出鬼没なその物体は今日も至極当然とばかりに現れた。
「ドコニイクダ〜イ?」
「こらこら、ボビー、そんな無粋な事を聞くものではないよ。それは、この完全無欠、眉目秀麗たる私に会いに来たに
決まっているじゃないか。」
もはや突っ込む気力すら無くなるような自己中心的唯我独尊を徹した発言に、どっと疲れが襲う。
ちっ・・・しちめんどうくさいわね・・・。
だけどボケに突っ込みを入れないのはポリシーに反するし。かと言って突っ込んだら益々この物体のペースに嵌ってしまう。
「おっと、何も言わなくて良いさ。そうだろうと予測して、私の方から会いに来てあげたよ。さぁさぁ、遠慮なく感涙の涙に
咽ぶリ返りたまえ!!私の胸でっ!!」
カムヒア、マイハニ〜♪と、その物体は手を広げて襲い掛かってきた。
はっしゃきょり、かくにん。
たーげっとろっくおん。
ふんっ!
バキャッ!!!
見事に決まった回し蹴りが、標的に命中。敵は撃沈した模様。
「今日も、ぜっこうちょう・・・ぶい。」
誰へともなく勝利のピースを掲げると、何事もなかった様にくるりと踵を返す。
これで難なく平和な一日を送れる・・・・筈だった。
「つかまえた☆」
が、がしりっと、何時の間にか起き上がった敵の衛兵Bによって不覚にも拘束されてしまう。
こうげきが・・・効いてない?
「ふっふっふ・・・・同じ攻撃が毎回通じると思ったら大間違いですよ。」
「あくやくの、発言ね・・・はんざいしゃだから、とうぜん?」
「照れる事はないさ、ハニー、君の気持ちは解っているとも♪私たちは相思相愛ですから、問題はありまっせん♪」
「ラッブラブ〜!」
「・・・・・・・」
呆れ帰って言葉も出ない。取りあえず思いっきり呆れと馬鹿にした眼差しで今だ重っ苦しく抱きついている奴を見あげてみた。
「おおっと、感激に言葉も出ないんだね。問題ない、愛に言葉は必要ありませんからねっ!」
「イシンデンシンダネ〜!」
・・・・伝わらなかったらしい。まぁ、これで大人しく引き下がる様なら苦労はないのだが。
「・・・・ばか?」
なので口に出してみた。
「何がどうしてそうなるの。」
「ふふん♪マリン殿から聞いたのですよ。君の好みのタイプがお金持ちで顔が良い男だと言う事をね。」
「・・・・だからそれがどうして、あなたなの。」
喋ったわねマリン・・・・内心どうしてくれようかと悪態つきながらも言ってやった。
「何を言いますか。そんな理想の高いカテゴリーに私以上にずばり当てはまる人は居ないでしょう!?」
さも大げさにジェスチャーをするその姿が更に馬鹿らしさを引立たせている。
いちいち恥かしいひと・・・。
「・・・・プルートがいるわ。後、アーク・・・・とか。」
一応、一応。っと内心で付け足す。取りあえずこの場を凌げればなんでも良い。何しろこれから
ソロイとの勉強があるのだ。遅れたら怖いのである。
「でも、私には叶いませんけどねっ!」
・・・・・・否定できない所が悔しい。
「ここ、神殿よ。そんな事言っていいの。」
「はっはっは、事実を述べる者を罰する権利なんて誰にもないさ。」
「トーゼンダトーゼン!」
だから、しつこいのよ。
「・・・でも、せいかくはたんしゃと、へんたいとはんざいしゃは嫌。」
語尾を強調して言ってやった。
「ひっひどっ!!」
「あなただったら、まだボビーを選ぶわ。」
「が、がぁぁーんっ!何たる事だ、ボビー!親友だと思ってたのにっ!」
「コイトユウジョウハ、ベツモノダゼ、ベイベー」
・・・・芸のこまかい人ね。
「あつい友情にきれつも入ったところで、わたしは用事あるから。はなして。」
もがもがともがいてみるが、効果は無い。それどころか、何時の間にか人形劇を完結させていた
男は、嫌な笑みを浮べていた。
「だ・め☆」
思わず拳に力が入る。殴りたい。凄く殴りたいけど拘束されてるので殴れない。取りあえず此処は足でも踏んづけてやろう。
そう思った所で、突然視界が反転した。
「さぁさぁ、今日もこんなむさい所で勉強なんて止めて、王子様とデートに行きましょう♪」
「・・・はんざいしゃっ!おろしてっ!」
抵抗はして見るものの、れっつごーっと人の話しも聞かず所謂お姫様抱っこの侭連れて行かれる。
誰が両思いなんだか。本当に。
一方的に強引な男を見ながら、少女は溜息ついた。
それでも、流されてしまうのは、今日が初めてではなかったのだけれど。
コメント:
アクアちゃんの好みの男性。聞いた瞬間それってシリウス様なんじゃ・・・っと思ってしまったのは
ワタクシだけでしょうか。(爆)さり気無くタイトルに?がついてます。(汗)すみません。