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・・・・・・。 ぎゃぁぁぁぁっ!! わっ、わわわわわわわ私、今何言いました!? "何をやっているのですか?マリーン。" チーン・ポクポクポク・・・・ 脳裏にアスターナ様の声が響き。その優しげな声にこの上ない怒りを感じて、私は人生の終わりを確信しました。あぁ、さようなら、短き私の人生。 隊長さんは、なんだか目が点になっております。そうですよね、神の使者の本性を見て衝撃受けてるのでしょう・・・・私もショックですよ。自分に・・・・。 「神の使徒たる精霊の心まで手に入れてしまうとは・・・流石ですね、勇者よ。」 僅かに顔をひくつかせて言うアスターナ様。怖い・・・怖いけど、この切り替えは流石です。逆境に立つとますますヴィーナス・スマイルが輝いております。 「ですが、マリーン。人間界に残ると言うのは、大変な事ですよ。」 傍から見れば、実に麗しい会話。皆さんなんだか、目に涙まで溜めて私の方を見てます。先ほどのお馬鹿な告白はすっかり頭から抜けているもよう。先入観って、怖い。 「そうですか・・・しかし、貴方に一人で生きて行ける術はないでしょう?どうするのですか?」 う・・・それ言われてしまうと、非常に痛いです。 「アスターナ様、お話中申し訳ござりませぬ。しかし、女神様の使者が、残ってくださるのならば、こんなにありがたい事はありませぬ。何不自由なく、王宮に迎えさせていただきとうございます。」 そんな王様の言葉に、アスターナ様はにっこりと笑顔を浮かべました。アスターナ様は解っているのです、私が、そのような待遇が苦手だと言う事は。 「解りました。しかし、マリーンはまだ幼い。今夜、話をしますから。もし、彼女の心が変わらなければ、明日早朝、王都北のオアシスにて、その本来の姿を見せるでしょう。」 どんな台詞もアスターナ様が言うと神々しい。正しくお告げという感じなのですが、私は心苦しいです・・・この反応を見ていると、胸を高鳴らせて見に来るのでしょう・・・あぁ、私なんかの為に睡眠不足とかになったら申し訳ないです。本当に大したもんじゃないんですよーむしろ幻滅しないでくださいね・・・と、言いたいけど言えない中途半端な身分を持つ自分が悲しいです。 「さて、どういうつもりなのかしら?」 転送魔法で帰ってきた刹那、アスターナ様の表情は一変。冷気のオーラーで、室内は見る見るうちに凍結して行きます。笑顔よりはマシだけど、やっぱり怖い。やはりさっきのは建前だったのですね・・・・。私は日の目を見ずにこの命を終えるんですね。 「申し訳ありません、アスターナ様、でも、どうして海を作って差し上げなかったんですか?オアシスだけでは、一時しのぎにしかなりません。」 必死に言うと、アスターナ様はため息を吐いて、水晶でできた玉座に座りました。 「一度生まれた世界に海を作るのは大変なのよ?」 って、思わず言ってしまってから、私は口を覆いました。何故なら、アスターナ様がメデューサも真っ青な視線で睨んできたからです。その怖さはその場にいなければ解りません。 「この私に、人間の為に汗をかけって言うの?しかもあんな無礼者たち!なんなの?あの王女は、この私の目の前で、陳腐なラブシーンなんてかましてくれちゃってっ!!」 ら・・・ラブシーンって仮にも女神様が。 「それにあの騎士も許せないわ、私の祝福をいらないですって?こんなプライドを傷つけられたのは初めてよっ、この私が姿を見せたというだけでも、あの世界はこの上もない名誉を与えられているって言うのにっ!なんなんやねんホンマ、むかつくーーーー!!!」 あぁ・・・アスターナ様が、どんどん素に戻っております。頼みますからそんな麗しい姿で訛った喋りをしないで下さい。こんな姿、誰かが見たら卒倒ものですよ〜〜。 「あ、アスターナ様、お気持ちは解りますが、女神様は世界の命運を握っているのですから、なんとか怒りを抑えて・・・。」 っと言うか女神ともあろうお方がそんな下らない理由で世界を一つ無駄にして良い筈がありません。はっきりと言えないのは、やはり下僕としての悲しい宿命ですが・・・。 「何正義感ぶった事いうてるんや。アンタ、あの騎士に惚れたから残りたいんやろ?」 図星ですけど、嗚呼、お願いですからその喋り方は止めて下さい!!ギャップありすぎて泣けてくるんですっ!! 「そうだわ、いい事考えた。良い事、マリーン、残るからにはあの騎士の心を必ず物にしなさい。この私を馬鹿にした代償として、あの王女を思いっきり痛めつけてやるのですっ。」 と言うか、女神様ともあろうお方がなんっちゅーセコイっ!そのミジンコの如き心の狭さはなんですか!?なんだかだんだんと胃痛を感じてきました。 「何言ってるのよ。貴方も精霊でしょう?人間の姿をしてれば、あんな人の小娘に負ける訳ないのよ。なんたってこの私の下僕なのですからね。」 げ・・・下僕って・・・解ってはいましたが・・・そ、そんな威張って言われても・・・。 「マリーン、本当に行くなら、戻る事は許しません。貴方は、私よりも、神界よりも人間を選んだのですから、これは裏切りと見なします。たとえ、貴方の精霊体を見た人間が、どんな行動を取ろうと、貴方が、あの灼熱の大地で、死にかけようと、人の裏切りに絶望をしようとも、私は貴方を助けたりはしません。それでも、行くのですね?」 久しぶりに見た、アスターナ様の、女神のお顔でした。笑っていなくとも、言葉は、身を貫く程に厳しくても、私はじーんと胸が熱くなりました。そうです。こんな私をアスターナ様は今までお側に置いて下さいました。やはり、少し・・・いや、可也考える所はありますが、アスターナ様は、私にとって、大好きなご主人様なのです。 「行きます。アスターナ様・・・今まで有難うございました。」 涙で滲む視界で、アスターナ様が一瞬だけ困ったような表情になった気がしました。けれど、そんな筈は無いと思いなおして、私はアスターナ様と、天界とお別れをしたのです。
頑張りますっ!えいえいおーっ!
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