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こんな事言うのは罰当たりだと解ってるのですが、 つくづく、神様って、インチキかもしれません。
女神アスターナ様の声に、地面すれすれまで頭をこすり付けていた人々はやっと顔を上げた。 「神は、人を愛しているからこそ、試練を与えられるのです・・・恐れる事はありません、この世界が再び危機に瀕した時、主神は必ず救いを与えられるでしょう。」 あぁっ・・・もうっ、あんっな嘘八百並べて・・・しかも皆さん信じ切っておりますっ! あ、すみません。ご紹介遅れました。私、マリーンと申します。水の女神、アスターナ様の使者・・・女神の使徒などと呼ばれておりますが、実の所只の下僕ではないかと、最近ひしひし感じております。 「有難うございますじゃぁ〜・・・女神様の伝説は永遠に人々に語り継がれましょう・・・をを・・・美しき女神アスターナ様・・・。」 言えません・・・こんなに感動している人たちには絶対に言えませんっ!うっかりゼイオス様が海を作り忘れた為に、その尻拭いをしに来ただなんてっ!!!! 「そうですか・・・その時は、私の事を、完全なる美貌と知性を持った神韻縹渺たる至高の女神と記述する事を許しましょう・・・・・・。」 一斉に平伏す人々・・・ってちょっと待って下さい!!そこって突っ込まなくて良いんですか!? はぁぁぁ〜・・・アスターナ様も、ゼイオス様から頼まれた時は、神殿半分破壊なされる程切れまくりでしたのに、この変貌っぷりは・・・・。 やっぱり神様って・・・詐欺です。 海が作られなかったこの世界は、1000年の間に、すっかり砂漠化してしまっていて、私たちが来た時は、もう滅びる寸前でした。え?1000年も放っておいた理由・・・ですか・・・?そ・・・それは・・・その・・・。いえ、違うんです。人と神の時は違いますから、1000年と言う人には長い時間も、神界からすれば、ひ、昼寝時間ぐらいの長さなのですよ。 「国王陛下っ!!!」 突然勢い良くドアが開かれて、乱入してきた兵士らしき人は、王様の声に慌ててその場に平伏した。 アスターナ様は笑顔でそれを受け流しておりますが・・・ひぃぃっ!怖いですっ!アスターナ様は、極度の不精ものなので、また何か問題が起きたのかと思いっきりオーラーが不機嫌になっているのは、私しか気づいてないのでしょう。 「申し訳ありません、ですが、隊長が、隊長が戻ってきたのですっ!」
わっ、びっくりしました。国王様と、其処にいた家臣、そして何より一際嬉しそうに叫んだのは、確かこの国の王女様。アスターナ様に良く似た透明な空色の髪と、青の瞳が綺麗で、人にしては稀なぐらいの美人さん・・・なのですが、あぁ、駆け出して行ってしまいました。それを追って家臣の人たちも・・・まずい、まずいです・・・この方たち、アスターナ様の存在すっかり忘れております・・・無碍にしております。 「あ・・・アスターナ様・・・お・・・・落ち着いて。」 「何かしら?マリーン。」 にっこり ひぃぃぃぃぃっ!!でっ出ました!!まさしく水の女神・・・基、氷の女神と名高いアスターナ様のブリザード・スマイル。隊長さん・・・初っ端から出番間違えましたね。 「も、申し訳ありませぬ、女神様、キーリトスは、今まで遠征でスコーピオンと戦って、やっと戻ってきましたのですじゃ・・・多くの者にとって、彼は英雄同然・・・また、娘の許婚者でもありまして・・・許してやってくだされ。」 偉いっ!偉いですっ!さすがは王様です!アスターナ様のブリザード・スマイルを感知するなんて! 「・・・それは興味深い。では、是非その英雄にも私からの祝福を・・・」 えええええっ!?本気ですかっ!?ど、どういうつもりなんでしょう。あの人間嫌いなアスターナ様が、ご自分から祝福をなさろうとするなんて・・・。すみません、私には解りません・・・っと混乱する内に、王様は喜んでアスターナ様を案内していて、 思えば、それがいけなかったのでしょうか。 アスターナ様は、やっぱり女神様ですから、全てを知っていたのかもしれません。
すると、隊長さんの方が、こちらに気がついたみたいで、ちらっと顔を上げたのです。 私は・・・・私は、その瞳に、釘付けになりました。 どうしましょうっ、なんだか、わたくし、細胞が正常に機能しておりませんっ!なぜこんなにもし・・・心拍数がっ!!わたくし、冷血動物ですのに、体温上昇してる気が・・・人間体だと恒温動物になるのですね、大発見です・・・ってそんな事を言っている場合じゃなありません!! "マリーン" ピシャーンッ!!! が、しかし、そんな私の胸の高鳴りも、脳裏に響いたアスターナ様の声に、一瞬にして現実に引き戻される事に。しまった、私は下部だから、女神様登場シーンに、見栄を張る・・・じゃなくって、宣言をするのが役目。あぁ・・・まずい、やばい、アスターナ様怒ってる。どうしましょう、氷づけなんて嫌です〜。 「静まりなさい、人間。アスターナ様が降臨なされます。」 ってもう降臨なされているのですが。そういうとピッカーンっと言う光と共に、アスターナ様が場内に登場・・・・お決まりですみません。しかし、これまた毎回空しくなる程効果抜群なんです。 あぁ・・・でも騎士が膝を折る姿ってどうしてどうしてこんなに素敵なんでしょうっ!っていけません私!!今は仕事中です!!ぜぇ・・・はぁ・・・でも格好良いです〜〜っ!!!! "マリーン" ひぃぃぃっぃっ!しまったです。又やってしまいました・・・。アスターナ様の一際不機嫌そうな声が脳裏に響きます。氷点下10度ぐらいUPしてます。私・・・絶対絶命かもしれません・・・。
何度言っても恥ずかしい台詞なのですが、これを間違えたりすると、後から想像をも絶するようなお仕置きが待っているのです。どうにか震えずに言えましたけど・・・うう、顔を上げた彼の視線が痛い、そうですよね、マトモな神経を持ってる人間なら突っ込み入れたいですよね。 あぁ・・・でも格好いいです〜〜〜!だ、駄目です私!しっかりするのです!業務中なのですから!そうでなくても今回は失敗だらけで、後を考えると怖いのですからっ!! 女神アスターナ様は、絶対に自分から人に祝福はなされません。どうやらよっぽど人間が嫌いらしく、過去に何かがあったんだって噂もあるのですが、ご主人様を詮索するなんて恐ろしくて私にはできません。 でも、祝福・・・祝福・・・そうですよね、今回のお供は私一人だけなのですから、当然私がやらなきゃいけない訳で・・・嫌じゃないのですよ、全然、寧ろ嬉しいのですよっ。今まで老若男女関わらず、あらぎった親父でも、果ては魚人猿人相手にも経験済みなのです、それに比べれば正しく天地の差なんですから・・・って神の使者がそんな事を思っちゃ根本的にいけないのですが・・・。 でも・・・でも、だからかえってできません。どうしようましょう。怖いです緊張します〜!!何時も何時も思うのですが・・・なんで祝福って口付けなんですか!?そりゃあ女神様の口付けなんてそうそう安々あげられた物じゃありませんけれど。だから私たちの様な下っ端が身代わりになるのでしょうけど、私だって、私だって女の子なのに〜〜〜!!・・・シクシク・・・。 しかも、私、絶対一目ぼれしました。彼に、どうしましょう、此処は喜ぶ場所だと解っているのですが、なんだか嫌です・・・だって、お姫様めちゃくちゃ悲しそうな顔してるんです。さっき、王様にもしましたからね、何をするのか知っているだけに嫌なのでしょう。あぁ・・・私、ますます卑怯じゃありませんか?この場合・・・ひぃ〜んっ!!いやです〜〜〜! っと心でいくら泣いても現実は厳しいものです。やらなきゃ私の命は無いのです。アスターナ様に力を貰うと、私もぴかっと光出して、一応見た目神々しく映る筈。そして、そっと彼の頬に手を添えて、私は彼に顔を近づけました。 嗚呼、ドアップはまた一段と綺麗です!格好良いです!!どうしましょう、表情変えちゃいけないのに・・・・私、死にます。心臓爆発します。 ドンっ!! が、正に唇が合わさるかと言う瞬間、私が感じたのは右腕に掛かる衝撃でした。 「な、なにをしているのじゃっ、ラメア!女神様の御膳であられるぞっ!」 いや、突き飛ばされたのは私なのですけど・・・下っ端の悲しい運命ですね。けれど、こんな時娘を守ってあげられないなんて、王様って立場が辛いですね。王様の言葉に、 く・・・空気が重いです・・・そうですよね、やっぱり恋人が他の人とキスをするのは嫌だですよね、いくら私と言えど今の姿はマトモな人間の女の子ですし。 そんな重苦しい空気の中、立ち上がったのは、なんと隊長さんでした。 「申し訳ありません、この上もない名誉・・・感謝いたします。ですが、己の身に余る褒美を受け取る訳には参りません。この度は、辞退させて頂きとうございます。」 うわっ、一動一句が様になってて格好良いです〜〜!!しかし、女神様の祝福を断るなんて・・・お姫様が本当に大切なのですね。などと、のんきに考えてる場合じゃあありません。まずいですっ!隊長さんっ!そんな女神様の前でいらないなんて・・・しかも相手はヴィーナス・オブ・ザ・唯我独尊と言われるアスターナ様!どうしましょう、あぁぁぁぁ・・・世界が・・・天変地異が・・・。 「よく言いました・・・・愛する者を守ろうとする姿勢、汝こそは真の勇者です。」 ってええええええええっ!! が、私の予想に反して、にっこりと、優雅にヴィーナス・スマイルを浮かべて、アスターナ様は言い放ちました。怖い、はっきり言ってめちゃくちゃ怖いです・・・だって、こんな台詞台本にはないんですよ!?それなのに、あんな良い事言うなんて・・・やっぱり本物の女神様なんですね・・・ってダメダメ!こんな事心で思ってた事がばれたら私、秒殺されます。ぶるぶるっ。 「人間たちよ・・・もう貴方方に神は必要ないでしょう。これからも永久に、愛を大切にして生きて行きなさい。」 ・・・・・ってっ!!ま、待って・・・待って下さい!!そんな、感動して跪いてる場合じゃないですよ、皆さんっ!あの神界でも有名な恋愛不信であり、愛なんて単語を言う度に影では口をすすいでいるアスターナ様が!!愛を大切にとか言うなんて、絶対ありえませんっ!太陽が西から昇ったってありえません・・・・こ、これはもしやっ!? 『この私より人間の小娘との恋愛ごっこを取るならば、永遠、自分たちの力だけでなんとかしなさい。』 と言う意味なのではっ!?アスターナ様冷気放ってないし、考えすぎかもしれませんけど、 だって、このまま見放したら、この世界はきっと時を移さずに死んでしまいます。いくら神様だって、酷いです。それに、私、このまま本当に帰って良いのでしょうか・・・だんだんと、辺りの景色が朧気になっていきます。彼の蒼い瞳も、くすんで、掠れて、見えなくなってしまいます。
目の前の彼は、とっても驚いた眼をしていました。驚くと、海の色をした瞳は、ますます綺麗で、私は、気がつくと、仕事中だと言う事も忘れて口走っていたのです。 「ごめんなさいっ!私、貴方に惚れました!!どうか側にいさせてくださいっ!」 |
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新作連載開始しました。益々語彙が少なくなっておりますが。(爆)宜しくお付き合い下さい。 ネット小説ランキングに入っております。宜しければ投票してやって下さい。 <<...TOP...>><<...NEXT...>> <<...HOME..>> |